提携カード・代行カード
提携カードも代行カードも企業とクレジットカード会社が提携して発行しているクレジットカードです。歴史的には代行カードが先に存在して、提携カードに移行したという経緯があります。代行カードは自社でクレジットカードを発行できない企業がクレジットカード会社にカード発行の代行を委託することからその名称となっています。つまり自社カードの委託であり代行カードはその企業の店舗でしか利用できません。ハウスカードという名称もありますが、ハウスカードは主に自社で発行しているクレジットカードのことを言います。つまり代行カードはハウスカードの業務委託版という言い方ができます。
代行カードが主流の時代はクレジットカード発行にかかる経費はほとんど企業が負担していたため、ある程度の会員が確保できない場合には経費倒れに終わってしまいました。そのデメリットを解消するためにクレジットカード会社にもメリットがある提携カードが考案され、クレジットカード発行の経費が軽減されたのです。提携カードはプロパーカードとしての機能も持っています。つまり提携先以外のクレジットカード会社の加盟店すべてで利用することができます。そのためクレジットカード会社にも売上のメリットがあるので、提携先の経費を節減することができるのです。
プロパーカード
プロパーカードは提携企業がなくクレジットカード会社だけでサービスを提供しているクレジットカードのことを言います。企業と提携して提携企業もサービスを提供するクレジットカードを提携カードといいますが、発行枚数では提携カードの方が多いといわれています。しかし、クレジットカード会社ではプロパーカードの会員を増やすことも目的としています。提携カードも会員数増加には重要なクレジットカードですが、提携先の都合により会員数が大きく増減する場合があります。提携を解消したり、自社でクレジットカードを発行したりといったケースがあるからです。しかし、プロパーカード会員は大きな会員数の減少はないため安定した利益の確保につながります。
プロパーカードはデザイン的にも一般向けのものが多く、企業色を打ち出した提携カードとは大きく違います。その点ではどんな加盟店でも利用しやすいというメリットがあります。またプロパーカードはゴールドカードやプラチナカードといったグレードがあり、特にプラチナカードは提携カードにはない富裕層向けのステータスが高いクレジットカードです。銀行系のクレジットカード会社が発行しているプラチナカードは最上位のクレジットカードで、クレジットカード会社の招待がなければ入会することができません。ステータスという面では銀行系プロパーカードは高い評価を受けています。
ゴールドカード
ゴールドカードは一般カードより上位のクレジットカードで、提供されるサービスの質も年会費も高いのが特長です。ゴールドカードを初めて発行したのはアメリカン・エキスプレスで、クレジットカードのサービスが競合他社と差がなくなってきたことから差別化を図るために発行したといわれています。つまりステータスを象徴するのがゴールドカードでしたが、現在ではゴールドカードのサービスも大差なくなったため、さらにグレードの高いプラチナカードやプレミアムカードも発行されています。
ゴールドカードのサービスは海外旅行傷害保険など付帯保険の補償金額やカード利用枠が大きいことや、ゴールド会員専用のデスク、空港ラウンジ無料サービスなどがあります。年会費は10500円が標準で一般カードの8倍程度となっています。しかし最近ではゴールドカードも多様化していて、20代向けのヤングゴールドカードや、低年会費のゴールドカード、中には年会費無料のゴールドカードなども発行されています。こうした年会費の低下と若年層向けの施策により、ゴールドカードのステータスはかつてほどではなくなっています。
ステータスを求めるのであればやはりゴールドカードを持つことには意味があります。銀行系クレジットカードのプラチナカードを持つためにはゴールド会員として実績を積み重ねることが近道だからです。現在のゴールドカードでは銀行系ゴールドカードが最もゴールドカードとしてのステータスがあります。プラチナカードへのグレードアップもありますが、それ以前にゴールドカードの入会条件も一定のレベルを保っているからです。
プラチナカード
プラチナカードにはプロパーカードのプラチナカードと提携によるプラチナカードがあります。さらに入会方式が招待制によるものと自分から申し込みすることができるものがあります。日本では三井住友VISAカードとJCBカードが招待制のプロパープラチナカードを発行しています。SBIカードのプロパーのプラチナカードを発行していますが申し込みすることが可能です。セゾン・プラチナ・アメリカン・エキスプレスは提携によるプラチナカードで申込可能です。
プラチナカードのサービスはゴールドカードのサービスをさらにグレードアップしたものですが、特徴的なのはプライオリティ・パスが付帯されている点です。プライオリティ・パスは世界500箇所以上の空港ラウンジが無料で利用できるサービスで、直接入会すると年会費が399ドルかかります。これが無料で付帯されているため年会費5万円のプラチナカードでも十分元を取ることができます。3万円台のプラチナカードではおつりがくるくらいのサービスです。
アメリカン・エキスプレスでもプラチナカードを発行していますが、コンシェルジュサービスが充実していて、私設秘書並みの対応といわれています。こうした富裕層向けのサービスとしては、ポイントの還元などよりもコンシェルジュサービスのように細やかなサービスが求められているようです。
ブラックカード
クレジットカード会社の最上位グレードとなるクレジットカードをプレミアムカードと呼んでいます。。国内の銀行系クレジットカード会社ではプラチナカードが最上位ですが、ダイナースクラブやアメリカン・エキスプレスではさらに上位のクレジットカードがあります。これをブラックカードと呼んでいます。アメリカン・エキスプレスのセンチュリオンの券面が 黒を基調としたデザインのため、日本ではブラックカードという俗称で呼ぶようになったのです。 ダイナースクラブのプレミアムカードもセンチュリオンと同様にプレミアムカードの代表てきなブラックカードで、徹底したコンシェルジュサービスに特長がります。日本ではSBIカードがマスターカードと提携してワールドカードを発行していますが、年会費15万円のプレミアムカードです。
ブラックカードの詳細はほとんど公表されていないため、詳しいサービス内容はもちろん、募集しているかどうかも定かではありません。基本的には富裕層向けのサービスを展開しているので、ポイント交換商品に宇宙旅行があるといったうわさもありますが、ブラックカードを使いこなす富裕層であれば商品交換しなくても宇宙旅行に行くだけの資金はあるでしょう。ブラックカードの価値はこうしたポイントによる商品交換ではなくコンシェルジュサービスにあるようです。私設秘書のように24時間カード会員のわがままに応えてくれるサービスです。
家族カード
クレジットカードはカード会員以外利用できないのが大原則でそれは家族も例外ではありません。そのため家族でも利用できるように発行しているのが家族カードです。基本となるクレジットカードを親カードと呼んでいますが、返済口座も親カードと同じ口座で、カード利用枠も親カードの利用枠の範囲内となります。クレジットカードによっては利用枠を個別に設定できたり、口座を 別口座にしたりといったことができる家族カードもあります。家族カードの対象は配偶者、 生計を同一にする18 歳以上の子供、または親というのが一般的で別姓・別居の場合は基本的に対象外となります。しかし子供の場合は親の収入で生活していれば別居でもかまいません。
SBIカードの家族カードは他社と違った特長があります。家族カードは第三者にも追加発行ができ、利用枠も個別設定できます。三井住友VISAカードでも家族カード会員が個別に支払が可能な種類の家族カードの発行も行っています。
ETCカード
ETC は高速道路の料金所をノンストップで通過して料金の清算ができる通信シス テムです。このETC を利用するためにはETC カードが必要で、家族カード同様にクレジット カードに追加発行することができます。2009年3月には政府の景気対策策のひとつとしてETC利用の高速料金が値下げされたことから人気が高まり、車載器の品不足や一部クレジットカードの受付中止といったことも起きました。ETCカードの年会費は無料のケースがほとんどで、利用できるのはカード 会員に限られます。ETC 利用では各種割引やマイレージサービスでポイントを貯め無料通行分に還元できるため、ドライバーにとってETC カードは必須のクレジットカードです。
ETC割引はETCを利用するだけで深夜や早朝などは自動的に50%程度割引となるサービスです。さらにETCマイレージに登録するとポイントが貯まり貯まったポイントは無料通行分として利用することができます。ETCを利用するためには車載器とETCカードが必要ですが、マイレージサービスを登録するときにも車載器とETCカードの登録が必要です。ETC割引はETC通信を利用する必要がありますが、マイレージサービスは一般料金所でETCカードでの清算をしてもマイルは貯まります。これはETCマイレージは請求金額に対してポイントが付与されるためで、ETC割引のように通信による割引適用ではないからです。
民主党政権になってから高速道路無料化の政策となったため、ETCに対する熱はかなり冷めたようです。しかしすべての高速道路が無料になるわけではなく、そもそも民主党政権がこのまま続くかどうかもわかりません。先の見通しは不透明のまま無料化の社会実験が始まっていますが、多額の費用をかけて整備したETCシステムと車載器を購入した消費者の負担を考えると、ETCをこのまま消滅させるのはすっきりしないところです。ETCシステムを別の用途に使用するなどの対策を考えて欲しいものです。
後払い式電子マネー
クレジットカード会社では後払い方式の電子マネーを発行しています。電子マネーはEdyが有名ですが、前払い方式のためぁんだかがなくなるとチャージする必要があります。このデメリットを補ったサービスを提供しているのがクレジットカード機能を持つ電子マネーです。通常は対応する携帯電話に設定することで使用しますが、対応する携帯電話がなくてもIC カードを追加発行することで利 用することができます。クレジットカードによってQUICPay、Smartplus 、VISA TOUCH、iD など が利用できますが、基本的な機能はまったく同じです。
この電子マネーはクレジットカード会社が小額決済分野に進出するという目的で作られたようです。自動販売機でも利用できる電子マネーはクレジットカードでは対象にならなかったような決済も可能です。スーパーやコンビニ ではサインレスで利用できるクレジットカードですが、やはり電子マネーの決済のスムーズさにはかなわない部分がありました。クレジットカード会社はクレジットカード機能を応用した電子マネーを発行することでこの問題を解決したようです。
NTTドコモと三井住友VISAカードが採用している後払い方式の電子マネーiDの会員数は1500万人を突破しました。
参考:http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2010/09/09_01.html
後払い方式はクレジットカードを持っていなければ利用できないので、前払いに比べると会員数を増やすことは難しいはずです。クレジットカードには審査があり年齢も18歳以上に限定されるからです。1500万人という数は前払いのPASMOやWAONとほぼ同じであることを考えると、かなり検討している数字ということができます。これにはいくつか理由があるようです。
NTTドコモにはDCMXminiという商品があり1万円の少額タイプで、携帯料金と一緒に請求されます。つまりクレジットカードがなくても携帯電話のユーザーであれば利用できるという利点があり、会員が集めやすくなっています。さらに三井住友VISAカードはiDの普及に力を入れてキャンペーン等を展開しているので、こうした動きがiDの会員数増加につながっているのでしょう。
クレジットカードのブランド
◆国際ブランド
国際ブランドは海外に加盟店ネットワークを持つブランドのことで、日本ではJCBが唯一国際ブランドとなっています。三井住友VISAカードもブランドは国際ブランドですが、VISAと提携しているため純粋に自社ブランドを国際ブランド化したのはJCBカードだけです。日本のクレジットカード会社は自社ブランドを持っていますが、海外利用できるように国際ブランドとも提携をして2種類のブランドを持つダブルブランドのクレジットカード発行が一般的です。
こうした国際ブランドを付与するクレジットカードの発行は1970年代から始まっています。当時は海外旅行ブームでクレジットカード会社も海外利用できるクレジットカードの発行が必要だったのです。海外旅行ではショッピング利用するのが目的であることが多いので、クレジットカード会社としても売上に結びつくという大きなメリットがありました。日本のクレジットカード会社が提携している国際ブランドはVISAとマスターカードが多く、最近では富裕層向けにダイナースクラブやアメリカン・エキスプレスと提携したクレジットカードも多く発行されています。
VISAとマスターカードはほぼ同じ規模で世界中に加盟店やATMネットワークを構築しています。その差はほとんどありませんがマスターカードはヨーロッパに強いといわれています。逆に日本国内ではマスターカードにはマイナーマスター問題といわれるトラブルがあります。マスターカードを付与したクレジットカードkが発行された当初、複数のクレジットカード会社が独自に加盟店を開拓したため、相互に利用できない不都合が生じシステムを改善した経緯があります。そのシステム改善が行われていない加盟店が少数ながら存在するため、最近発行されたマスターカードブランドのクレジットカードが利用できないという問題がマイナーマスター問題です。しかしこの問題はごく少数の加盟店側の問題で、一般的に利用する分にはまったく問題はありません。
国際ブランドとクレジットカード発行会社とは違うという点は十分に理解していきましょう。クレジットカード利用分の請求はクレジットカード発行会社が行うのであって、国際ブランド会社は何の関係もありません。国際ブランドは加盟店ネットワークや一部サービスを提供しているだけに過ぎないからです。ただし海外利用の為替レート換算に伴う手数料は、国際ブランドの提供会社に支払うことになります。
◆国内ブランド
国内ブランドは日本国内に加盟店ネットワークを持つクレジットカード会社が発行するブランドで、基本的にはクレジットカード会社の数だけ国内ブランドがあることになります。しかし最近ではクレジットカード会社の統合が進み、一社で複数のブランドを持つクレジットカード会社も増えています。三菱UFJニコスやセディナなどのそのいい例です。これらのクレジットカード会社は複数のクレジットカード会社や信販会社が合併してできた会社ですが、既存のブランドはそのまま継続しています。既存のクレジットカード会員が多く存在するため、ブランドを統一することが難しいということもありそのままブランドを継続しています。
日本のクレジットカード会社はそもそも人口に対して数が多すぎるという問題がありました。これは旧通産省の方針で信販会社が地域分割されたという事情があります。アプラスやセントラルファイナンスなどは旧日本信販の支店業務を引き継ぐ形で独立しています。こうして増えた信販会社が全国展開が可能になってからは競合会社としてお互いにライバルとなったのです。信販会社もクレジットカードを発行するようになりそれぞれのブランドを持ち独自に加盟店を開拓してきたため、国内ブランドが数多く存在するようになりました。銀行系のカードブランドも同様に銀行グループ単位で国内ブランドを持っていましたが、銀行の合併が進みブランドも淘汰されてきています。
国内ブランドが多いことはクレジットカード加盟店にとってはあまりメリットはありません。複数のクレジットカード会社と加盟店契約を結ぶ必要があるからです。しかし、現実的にはほとんどのクレジットカードは国際カードで国際ブランドが付与されています。つまり国際ブランドとして国内で利用することが可能なので、JCB,VISA、マスターカードのいずれかのブランドが付与されていれば、国内でも不自由なく利用することができます。クレジットカード加盟店にあるCAT端末機は1台あれば、加盟しているブランドのどれでも利用できるからです。
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